2017 東北ツーリング (秋田~岩手~青森~岩手~宮城)Day 4-1

6/15(木)
(ホテル宮古ヒルズ~雇用促進住宅~道の駅 タピック45~奇跡の一本松~陸前高田ユースホステル)


部屋に差し込む日差しで目が覚めるが6時前。起きるにはちょっと早い気もするが、2度寝するには勿体ないほどの天気だし、何よりツーリングが楽しみなのでそのまま起床。
シャワーを浴びてさっぱり、お着替えをして朝食が始まる6:30まで部屋でゴロゴロ。


エレベータで2Fへと降りて朝食会場へ。
昨日(サンルート)に比べると朝食のメニューや味などは落ちるが、まぁよくあるビジネスホテルの朝ごはんって感じ。みなさん作業着姿の方ばかりでスーツの人は誰も居らず、被災地で復興に携わってますって人たちなんだと思う。ちなみに、プライベートで来てますって感じなのは自分だけだった。


7:30 チェックアウトを済ませてホテルを出発。チェックアウトしてから気づいたんだが、ここのホテルは1Fに大浴場があったらしい。せっかく足を延ばして入れるチャンスだったのに勿体なかったな。
屋根付きスペースに停めてあったVFRに荷物を載せ、ナビにルートをセットして出発。交差点を曲がって国道45号線に入り、閉伊川を渡っていると何処かで見た景色。Youtubeに上げられていた宮古市の津波動画の場所だったが、比較的に被害が少なかったのか津波の爪痕は見ることができなかった。


海沿いを南に進んでいくと、周囲は更地が目立つようになり、道路には砂塵が舞い、走るのはダンプカーだらけ。津波被害が甚大だったんだろうが、震災から6年経ったとは思えないほどに復興のスピードが遅く感じた。ニュースにもすっかり取り上げられなくなったし、震災前と同等とは言わないでも、それなりの生活に戻ってるものと思ってたんだけど・・・。


景色から想像されるものが重く、気分的に辛くなってきたこともあって、道路沿いにあったローソンで休憩。
お気に入りの缶コーヒー(Tullys BARISTA’S BLACK)を買ってブレイクしてみるが、目の前には高さ10mはあろうと思われる防潮堤。本来ならキレイな海が目の前に広がるんだろうが・・・。


道路沿いに駅の看板があったので寄ってみたが、この辺り(宮古~釜石間)は震災から不通になったままのようで、駅には人影もなく。ここはまだキレイなほうで、道中に見かけたところでは線路内が草ぼうぼうで荒れまくってたり。


陸前高田市が近づいてきて頭上に看板。海までは距離があるはずなんだが、ここまで津波が押し寄せたらしい。にわかに信じがたいが、ここより海側は建ってる家が新しかったり、何もない更地だったり、これが現実なんだろうな。


更に進むとこんな看板があちこちに。目の前に海が見えれば何となく分かるが、海ってどこよ?だったり、巨大な堤防で全く見えなかったり、とてもじゃないが津波がやってくる風景が全く想像できない。


下宿定住促進住宅なる建物。5階建てなんだが、4階までが破壊されちゃってる。つーことは、15mほどの津波が押し寄せたってことか。誰がこれほどまでの波が襲ってくると理解していたんだろうか。頭の中ではわかってるつもりでも、実際にその高さの波が襲ってくるってことを。


近くにあった「道の駅 高田松原タピック45」。津波で破壊され、現在は遺構として保存されているとのこと。


津波から逃げて上ってこられるよう建物全体が三角形状に設計されており、震災時は最上部に避難した3名が助かったとのこと。三角形(建物)の最上部は15m、襲った津波は13.8mって言うから、足元すぐまで波が迫ってきたわけで、生きた心地がしなかっただろうな。


道を挟んだ向かいにあったガソリンスタンドの看板には「津波水位」の文字。15mって数字で聞いてもかなりのものだが、実際のものと比較するのと「その時の光景」が想像されて驚きよりも恐怖感。天災とは言え、なんでこんな目にあわないかんのだろうね。


公共駐車所にVFRを停め、海の方向へ歩く。海が近いはずなのに波の音はなく、聞こえるのはショベルカーやトラックのエンジン音だけ。潮の香りもゼロだし、砂埃がガンガン舞ってるし、日差しの強さはじっとりと汗ばむほどだし、言葉は適切でないかと思うが「荒廃」と「復興」が入り混じった感じ。
歩いて10分ほどで「奇跡の一本松」に到着。15mもの津波に耐え残った姿は、堂々と言うよりは遺構な雰囲気が強くて寂しげ。震災が風化しないよう保存する気持ちは分かるが・・・。ここに限らず遺構は賛否両論。


一本松の奥(海側)には破壊されたユースホステル。コンクリート製の建物がここまで破壊されるって、自然の力ってのは計り知れない。
この建物が防波堤代わりとなって津波の衝撃を吸収し、一本松を守ったとの解説があった。


複雑な想いで来た道を戻り、駐車場横にあった「岩張楼(がんばろう)」て名前のラーメン屋でお昼ご飯。ここは少しでも地元にお金を落として復興につなげないと。
店名が付けられたラーメンなら自信作だろうと「岩張楼ラーメン」なるものを注文。スープは味噌、塩、醤油から選べるようで、「一体何がお勧めだ??」って思うところだが、普段はあまり食べない塩にしてみた。
苔、ワカメに加え、メカブが入ってるのが珍しく、トロトロ感が不思議な感じだった。

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