30年前の就職活動(6)
いよいよ面接当日。
学生5名、会社側5名の集団面接。
ひとりづつ自己紹介と志望動機、自己分析を述べ、そのあとに会社(面接官)からの質問に答える形式。
自分の番が回ってきて、大学名と名前を述べる。
志望動機については、車やオートバイの整備やカスタムなどモノ作りが好きで「技術職」に就きたいと説明する。志望動機(会社を選んだ理由)になっていないこと、あまりにありきたりな説明だったのか面接官は無表情。
また、自己分析として、自分が興味を沸いたことに対し没頭する(やり遂げる)のが長所、一方で没頭するあまり周囲が見えなくなるところが短所と説明。
次いで会社(面接官)から、「学生時代に学んだことは何か?」との問い。
正直、大学での勉強はさっぱりだっため、ここは正直にアルバイト先での経験を話す。バイト先でのリーダ(取り纏め)経験により感じた「人の動かし方」について、分析結果と合わせて説明すると、思いのほか面接官からの共感を得て好感触。
また、「大学時代の一番の思い出」を問われたため、ツーリング先で仲良くなった人の家に泊まらせてもらったところ、同性愛者に襲われそうになったことを話し、面接会場の笑いを取る。
これまでと異なり、今回の面接では「素」を出すことができたので満足。後悔なし、これでダメならもういいや。
面接から約1週間後、「来年4月からの入社をお待ちしています」との封書が届いて無事合格。
大学推薦で合格した会社へ行くのがルール(1社しか受けられない)のため、これで就職活動は終了。
その後の内定式にて、大学へ足を運んでくれた幹部の方とお会いしたが、「若いのに礼状を出してくる礼儀が気に入ったから採用した」とのことだった。仁義や礼を重んじることの大切さを再認識した次第。
(おわり)
(おまけ)
就活を始めた当初、バイト先の親方のアドバイスは以下だった。
・組合のある会社を選べ
組合がない場合、社長の御機嫌を損ねて一発でクビになりかねない
・明日も欲しくなる製品を扱ってる会社を選べ
一度購入したら二度と買わないような製品は扱う会社は弱い
・相手に値段を付けられない製品を扱ってる会社を選べ
強豪他社が居ない会社、市場占有率が高い会社は好きな値段を付けられる
おおむね、親方のアドバイスどおりの会社に就職、職種に就くことができたし、今になって思えば言われる通りだった。
人生の先輩の言うことはちゃんと聞いておくもんだ。