30年前の就職活動(4)
撃沈から1週間。
研究室への求人票もぼちぼち増えつつあるが、求人数は100%に至らず就職氷河期を実感。
友人の中には内定をもらった人もちらほら、日に日に焦りの色も濃くなり、過去のアルバイト先にも打診するなど形振り構わない状況に。
そんな中、下宿先に大学から入電。
「名古屋の会社の人が訪ねて来てくれてるからすぐに大学へ来い」
コンタクトした約50社のうち、お断りの連絡がきた1社。
自由応募での募集はしていない(学校推薦のみ)との手紙を受けため、返事を頂いたことに対するお礼とともに、「追加募集(自由応募)があれば連絡頂きたい」と手紙(礼状)を送った会社。
丁寧に礼状を出してきたことが会社幹部の目に留まり、ちゃんとした学生っぽいから一度会ってみたいと、わざわざ名古屋から大学のある岐阜県まで足を運ばれたらしい。
が、せっかく来ていただいたにも関わらず、そのときはアルバイトで不在。
当時は携帯電話なんて持ってなかった(月額1万円以上した)し、会社の人が来てくれたのを知ったのは留守番電話で聞いた深夜。
翌日、大学(研究室)へ行ってみると、会社案内のパンフレットとともに会社見学の日程表。
先方は、「そんなに興味があるなら、会社見学に来てみるか?」と言ってたとのことだった。
航空機、宇宙機器、産業機械などの設計をする大手企業の子会社。
「子会社」ってあまりよいイメージを持っていなかったが、わざわざ大学まで足を運んでくれたこと、自分を評価してくれたこと、何より「藁にもすがる思い」で会社説明会へ行ってみることにした。
(つづく)