就活の五箇条
大学院2年生の長男、大学4年生の長女ともに就職活動が終了。
これで来春には社会人として独り立ち、ようやく2人の子育ても終了。(残すところ次女のみ)
就活がスタートした1年前、社会人の先輩としてのアドバイス、また親の立場としてお願いした事項あり。
自分が言ったことに責任を持つ意味でも忘れないうちにメモ。一応、間違ったことは言っていないつもり。全部で5つ。
1. 名古屋(実家)を出ること

我が子は生まれも育ちも名古屋なので、就職先を地元に決めてしまうと、一生を名古屋で過ごす可能性大。
名古屋は適度に都会、適度に田舎で住みやすいけど、一生をこの地で過ごすのはちょっと勿体ない。
せっかく大学まで出た(出る)わけだし、多少は就職先を選べる身なんだから、地元に縛られることなく。自分の力を試す意味でも、日本経済の中心である東京、または関東圏へ。
また、いつまでも実家暮らしでは「独り立ち」とは言えず。精神的な自立と物理的な自立も期待し、名古屋(実家)を出るよう伝えた。
2.労働組合のある会社を選ぶこと

自分が学生時代、アルバイト先の親方から言われたのが、「組合(労働組合)のある会社へ行け」だった。
当時はインターネットもなかったし、調べる術がないのでよく理解できていなかったが、今になって振り返ってみると貴重なアドバイスだった。ホント、言うことを聞いておいてよかった。
労働組合がなければ会社(社長)から一方的に労働条件を決められてしまうし、給与、ボーナス、退職金など言われるがまま。会社との交渉の余地がなくなってしまうハンデは大きすぎる。
働く側の権利が100%守られるわけではないし、「組合がある会社=ホワイト企業」とはならないものの、労働組合は外すことのできない条件のひとつ。
3.同一労働同一賃金と思わないこと

同じに見える作業(労働)でも、責任の重さが同じ程度であっても「同一労働同一賃金」にはならない。(理想≠現実)
会社の中には自社の社員だけではなく、子会社社員、孫会社社員、派遣会社社員など働く人は様々。そのような雇用形態になっているのはなぜか。ちょっと考えればわかることであり、「同一労働同一賃金」など絵に描いた餅。
どの立場で仕事をするかによって、給与は大きく変わる。
4.世の中はピラミッド構造です

親会社、子会社、孫会社、また関連企業、1次下請け、2次下請けなど、どこの業界にもあるピラミッド構造。
世の中、甘い汁は上から吸われます。利益は抜かれます。買い叩かれます。また、(一般的に)ピラミッドの上位なほどお給料が高いです。当たり前。生活も安定傾向です。
一方、小さな企業でも特定の業務や分野に特化し、大企業に勝る会社があるのも事実。
企業を探すうえで、その会社の「立ち位置」を知っておくのは大切。
5.業界で勝ち抜ける企業へ

業界シェアトップ、競合他社に対するアドバンテージ、デファクトスタンダードを持つなど、競争に勝てる企業が理想的。
長年、親会社を見てつくづく感じたこと。優位性のある企業はホント強い。言うがままに事が運ぶ。
一方、企業戦略の失敗やマーケットの移り変わりなど、いつまでも優位性が保たれるとは限らないし、一生安泰とはならないかもしれないけど、企業(会社)を選ぶ上での判断基準のひとつとして。
内容的に重複しているものもあるけど、子供たちに伝えたのはおおよそこの5点。
「子供を追い出すなんて」とか「就活の理想と現実は違う」とか意見(批判)はあると思うけど、子供たちの人生が少しでもよい方向へ向かえばとの思いからのこと。まずはやってみる。やってみてダメなら引き下がるなり、方向性を変えるなりしてみればよし。
きっと誰も教えてくれないだろうし、会社を選ぶ上での手掛かり、判断基準になれば。
「会社名を聞いたことがあるから(有名だから)」とか「〇〇グループの系列会社だから(子会社、孫会社だから)」で選ぶのも悪くはないけど、「新卒」は人生に1度きりだし、この大きなチャンスはよく生かさないと。
何年かののち、「あの時、言ってもらってよかった」となるといいな。
